初心忘れるべからず
2011年2月18日2月一杯Study Leave(勉強、研究に集中する為の休暇)を取り、教会の仕事から一切離れて博士論文を書いています。思えばコロンビア大学ティーチャーズ・カレッジの博士課程に願書を出したのが10年前の2001年、入学が2002年ですので、足掛け9年も大学院に在籍し続けているわけです。それ以前、1993年にイェール大神学校を卒業してからも「博士課程に進みたい」と思いつつ、教会の仕事も充実し楽しく、煮えきらずにいましたが、2001年の同時テロでキャンプの教え子のお父さんが亡くなり、言葉には言い表せないほど悲しい葬儀の司式をしてから、やはり「全ての原点は教育にあり」「教育こそが地道に理想郷を築く礎」と強い確信を得ました。
しかしその強い確信も勉強と仕事、またプライベートと、ややもすると薄らいでしまい、ここまで長きに渡って学校にい続けてしまいました。今回、勉強に集中することによって、これまで溜めていた学業的知識がどんどん溢れ出て論文が面白いようにはかどっているのを実感し、改めて「初心忘れるべからず」と思いました。
人はどんなに強い思い、高い理想があって何かを始めても、それをやり続けたり、高い志を維持するのはとても困難です。特に日々の生活に追われたり、また私もそうですが、時に人からお褒めの言葉を頂いたり、ちょっと成功して、周囲の評価が上がったりすると、傲慢が忍び込んできたり、色々なタイトルや見掛けの良さなどがついて、本来の自分を見失ってしまいます。それに気づかない人が多い。
そう言う時こそ、初心に帰る。数年前に書いたものや、若い頃にやっていたことを時に振り返り、余計な物に押さえ込まれて冷めていた熱い思いを呼び起こすことが必要なのではないでしょうか。