DV一考察 Part 2
以前、Domestic Violence(DV)について書きましたが、つい最近、日本語放送のNHKニュースを見ていたらDVの特集をやっていました。これまでDVというと既婚者の問題、夫の妻への家庭内暴力(肉体的、精神的虐待を含む)というイメージが定着していましたが、最近では結婚前のカップル、恋人間の暴力をも含んで考えるようになった、と報道していました。この報道は根本的な問題解決へ向けたかなりの前進と言えます。アメリカでも数年前、高校生、大学生、20代前半の若者のデート・レイプが問題として取り上げられ報道されたことがあります。初めてのデートでお互いまだ良く知り合ってもいない、本当に愛し合っているか分からない状況で、主に男の方から一方的に性行為を求められ、半強制的に性行為をしてしまうというケースが増えているとのことでした。女性は相手への思い、言葉や態度の暴力(力関係)で押し切られ、最悪の場合、性行為が済むとそれっきり相手にされないケースもあると報道していました。
アメリカでも一部の馬鹿な連中で男のマッチョイズムを強調し、肉体的力を誇示したり、女性を力で従わせたりする輩がいます。女性の中にも、少数ではありますが(と信じたい)、それを良しとして受けれいている人がいるのには驚かされます。たまたまテレビのチャンネルを回していると、時たまやっているプロレスとかモーターショーを見ると(勿論すぐチャンネルを替えますが)強靭な肉体を誇る男に、ブロンド(に染めた)セクシャルな格好をした女が付き添うシーンが多々見られます。「愚かなり!」と一笑にふしたいところですが、日本人にも「男は泣いてはならない」とか「男はこうあるべき」とかやたらに「男」「女」を強調した表現、考えがありすぎ、簡単にはできません。旧い男尊女卑の考え方が手を変え品を変え多くの日本人の中に生きている。しかも男性ばかりでなく女性の中にも。これを改革、改善してかない限りDVは無くなりません。
上述のテレビ特集では、日本の若者の実態として結婚前のカップル間での精神的、肉体的暴力行為が増えているとのことでしたが、私は単に隠れていたのが表面に出てきただけと解釈しています。それがようやく女性の意識が高まり、女性の権利の確立が叫ばれて半世紀過ぎ、問題として取り上げられるようになった。女性は相手を「好き」、「愛している」という感情に溺れずに次の点を見つめる必要があります。交際相手が力ずくで性行為を迫ったり、意見が異なると大声で自分を威圧したり、手を挙げる。そんなことは絶対許されてはいけません。勿論、人間ですから時に自分のパートナーと意見が合わず、言い合いになることもあるでしょうし、意思の疎通に欠け喧嘩をすることもあるでしょう。しかし、怒鳴ったり、周りの者、物に八つ当たりしたり、相手に手を挙げるのは人の道から外れている、正に外道の行為です。
この特集では結婚前の交際期間に手を挙げる男は結婚してからも十中八九手を暴力を振るうDVに繋がるとの統計を報告していました。以前にも書きましたが、「(相手が)結婚したら変わってくれる」、とか「私が彼を変えられる。」「変えてみせる。」などという甘い期待、発想はくれぐれも持たないことです。人が回心して変わるには、それ相当の体験が必要です。私は人を心底変えられるのは神の愛のみ、とさえ思っています。
今、もし貴方が結婚前で自分の交際相手からのDVで悩んでいたら、そっこく別れる事をお勧めします。既婚者の方は結婚カウンセリング、法的対応、別居、離婚など状況によって取るべき手段が変わりますが、「自分さえ我慢すれば良いんだ。」などと自分の人格を殺すようなまねだけはしないで下さい。勿論、喧嘩や関係のもつれは、相手だけが一方的に悪いとはいえません。貴方にも反省すべき点があったら直し、相手との関係の修復に努力する必要はあると思います。しかし、例え自分が100%悪くても、相手に暴力は絶対許してはいけません。
真の人間関係に暴力は不要です。